肝臓内科
平成20年6月より、当院に肝臓内科を開設しました。直鞍地区に肝臓病の専門医療を提供することを目的としています。
顧問 坂本 茂
【スタッフ紹介へ】
診察内容
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◆診断
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肝臓病の専門的診断を行います。慢性肝炎や肝硬変はありふれてはいますがその診断には専門医の力が必要な場合が多々あります。単に「少し肝臓が悪い」で済ませるのではなく、原因、病気の程度を正しく診断することが、その後の治療成績に大きく影響します。C型肝炎やB型肝炎、アルコール性肝障害以外の肝臓病も少なくはなく、診断をつけて治療を行うことが大事です。
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◆B型肝炎の治療
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B型肝炎はウイルスを消してしまうことはまだ不可能ですが、比較的副作用の少ない内服薬によりウイルス量を下げることにより肝炎の沈静化を図ることができ、発がんや肝硬変に至るリスクを抑えることができます。この抗ウイルス剤を具体的にどのような患者さんにどの種類のものを投与するかなどの判断も当科の仕事になります。また、投与後のフォローアップも専門的に行う必要があります。
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◆C型肝炎の治療
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C型肝炎は近年目覚ましい治療の発展があり、副作用の少ない内服のみの治療で高率にウイルスを消してしまう治療が可能となっています。しかしながらまだ使われて間もない薬剤が大半で導入のタイミングや導入前に必要な検査などは専門的な決定が必要です。これまでインターフェロン治療を副作用などで断念された方や未治療の方が多く当科での治療を開始されきわめて良好な治療効果を得ています。内服治療でも助成金での治療が可能ですので気軽にお問合せ、受診ください。しかし、C型肝炎ウイルスは消してしまえばそれ以降の肝炎、肝硬変の進行は阻むことが可能であり、発がん率も著しく低下しますが0にはなりません。この点には注意が必要であり、中にはウイルス除去後5-6年経ってから発がんを認めることもあります。しかし全体的な発がん率は著明に低下しますし、発がんが起きた場合でも肝臓の予備能に余裕が出ているため手術を含め十分な強力な治療を選択できることが多くなります。そのためにもウイルス除去後も回数は大幅に減りますが肝臓内科への定期的な受診が強く推奨されています。
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◆非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断と治療
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メタボリック症候群の肝臓での病的な現象と考えられています。肝細胞癌の原因にもなると考えられています。肥満が一番の原因で、生活習慣是正の指導や薬物治療を行ないます。また、当科には糖尿病専門医も常勤しており連携を取りながら上記に取り組むことも行っております。
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◆肝細胞癌の早期発見
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慢性肝疾患は原因がなんであれ、肝細胞癌を発生する可能性が高くなります。当科では、慢性肝疾患の患者さんに対して、肝細胞癌の早期発見のため定期的な画像診断(MRI、CT、エコー)、腫瘍マーカー検査を行ないます。肝細胞癌の治療成績は発見時の進行度に大きく左右されますので、早期診断は非常に大事です。
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◆肝疾患についてのセカンドオピニオン
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すでに、他の医療機関で肝疾患の診断がついており、治療方針も提案ずみの場合に、別の立場からの考えをお伝えすることも可能です。主治医の先生からの紹介状と検査データーをお持ちください。