放射線科
皆様が病院で受けられた最初の検査が、X線写真であった経験の方は多いと思われます。その仕事をしているところが私たち放射線部門です。私たちは、患者さんの病態の最新情報を詳細かつ迅速に診断部門へ提供する事をモットーとしています。
当院の画像は、デジタル化されその情報は、3次元立体画像化、動画等の画像処理を行い診断に利用されています。また、骨粗鬆症を診断する装置、心筋梗塞等の血管の病変に対して診断・治療のおこなえる心臓血管造影撮影装置などの専用装置が導入され、多岐にわたる個々の病気に順次対応出来るようになっています。
なお、検査内容や放射線に関しての心配事や疑問がありましたら、私たち放射線技師に気軽にお尋ねください。
【スタッフ紹介へ】
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◆撮影機器一覧
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X線撮影装置
2台
透視撮影装置
1台
CT撮影装置 64列MDCT
1台
MRI撮影装置 1.5T
1台
血管造影撮影装置 バイプレーン心臓専用
1台
骨量測定装置 全身測定用
1台
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◆X線撮影装置
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フィルムを使用しないデジタル化されたCR(Computed Radiography)装置です。
胸部、腹部、骨など、全身のX線撮影を行います。胸部の概観撮影です。肺・心臓等を観察します。
胸部正面画像
腹部の概観撮影です。お腹のガスや、尿管結石等の石灰化を観察します。
腹部(立位)画像
腰椎の概観撮影です。圧迫骨折などの観察をします。
腰椎側面画像
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◆X線撮影透視装置
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X線を使ってリアルタイムに観察部位を映し出すシステムを利用し、目的部位の形態・動態を造影剤等を用いて描出する検査です。
また、X線透視を使った処置、治療も多岐にわたって行います。消化器領域 (食道、胃、小腸、大腸など)
癌、潰瘍、通過障害、ポリープなどの観察をします。
胃透視画像
通過障害を改善するために、ステント留置術を行います。
ステント留置術
外科領域 (肝臓、胆嚢、膵臓など)
胆道結石の有無、胆嚢の機能、周囲との関係を観察します。
X線透視を見ながらカメラ、バルーンなどで処置や治療を行います。ERCP
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◆CT撮影装置
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CT(Computed Tomography)とは、人体に多数の方向からX線を照射し、身体の断面を画像化する装置です。1度に複数枚の断層画像を撮影することで、広範囲の精密検査が短時間で可能です。
頭部打撲や頭痛、その他の神経症状があるとき、頭の中に異常がないかを検査します。頭を動かないようにして頂くだけで、単純撮影は、約5分で終了します。
頭部断面画像
肺や縦隔に病気がないかを検査します。検査中は、数秒間息を止めて頂きます。単純撮影は、約5分で終了します。
胸部断面画像
腹部の臓器に病気がないかを検査します。検査中は、数秒間息を止めて頂きます
腹部断面画像
静脈から造影剤を注入しながら検査することで、腹部の血管などを詳しく検査することもでき、目的の臓器や血管を3D表示することも可能です。検査に掛かる時間は検査の内容にもよりますが、約15分です。
腹部血管3D画像
心臓カテーテル検査を行わなくても、動いている心臓の血管撮影が可能となりました。 約15秒の息止めを数回して頂きます。
心臓3D画像
肩の骨折も立体画像で診断できます。
肩関節3D画像(骨折)
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◆MRI 撮影装置
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MRI(Magnetic Resonance Imaging)とは磁気共鳴画像診断の略称で、磁石(磁力)とラジオのような電波を利用して体の中を 撮影し、コンピュータを用いて体の内部構造を画像化する装置です。
【特徴】
・X線による被ばくはありません
・造影剤を使用しなくても、血管の情報を得ることができます
・検査時間は内容によっても異なりますが、20分~45分と他の検査に比べ長くなります当院のMRI装置では、以下のような画像診断が可能です。
・頭部:脳梗塞、脳腫瘍、脳動脈瘤など
・頚部:頚動脈狭窄など
・胸部(乳腺):乳腺腫瘍など
・腹部:肝腫瘍、膵腫瘍、胆のう腫瘍、胆石の有無など
・脊椎:椎間板ヘルニア、圧迫骨折、脊髄腫瘍など
・四肢:関節炎、骨挫傷、半月板損傷(膝関節)、靱帯損傷、アキレス腱断裂、関節リウマチなど
・血管系:下肢動脈狭窄など頭部の断面画像です。脳腫瘍などを観察します。
頭部
頭部の断面画像です。急性期脳梗塞(黄色枠内)などを観察します。
頭部(脳梗塞)
頭部の血管(動脈)を顔の正面から見た画像です。脳動脈瘤、動脈の狭窄などを観察します。
頭部の血管(動脈)
腰椎側面の画像です。椎間板ヘルニア、圧迫骨折、脊髄腫瘍などを観察します。
腰椎
膝側面の画像です。半月板、靭帯、骨折などを観察します。
膝
腹部(肝臓の一部)の断面像です。肝腫瘍などを観察します。
肝臓
胆嚢、総胆管、膵管を立体的に描出した画像です。胆石、胆管結石、膵嚢胞などを観察します。
MRCP
腎臓の血管(動脈)を立体的に描出した画像です。腎動脈の狭窄などを観察します。
腎臓の血管(動脈)
下肢の血管(動脈)を立体的に描出した画像です。下肢動脈の狭窄などを観察します。
下肢の血管(動脈)
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◆血管造影室
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当院では東芝社製Infinix Celeve-i INFX-8000V バイプレーンが稼動しています。
最新のフラットパネルディテクタ(FPD)を搭載した装置で、以前より少ない線量でも、解像度が高い画像が得られ、バイプレーンなので1回の撮影で2方向が見ることができ、心臓から下肢までの広範囲における検査、治療に活躍しています。心臓カテーテル検査は動いている心臓を造影剤を用いて動画で撮影する検査です。
心臓の右側の血管です(右冠動脈)
心臓の左側の血管です(左冠動脈)
心臓(左心室)の動きを表す画像です
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◆骨量測定装置
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骨密度(骨量)検査とは、骨の強度測定のことです。おもに、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を診断する検査です。
当院では、骨密度検査においてDEXA(dual-energy X-ray absorptiometry)法を用いており、骨粗鬆症の診断を正確かつ安全に行うことができます。測定部位は、腰椎、大腿骨を撮影して測定を行います。※DEXA(DXA)法とは“Dual Energy X-ray Absorptiometry”の略で、2種類のエネルギーレベルのX線の透過率の差を利用して骨量を測定する方法です。現時点では腰椎のDEXA法が最も信頼の高い骨量測定法であり、骨粗鬆症診断基準(2011年版)でもDEXA法(デキサ法)を用いて計測することが推奨されています。
こんな人におススメの検査です
・65歳以上の女性、また危険因子(喫煙、飲酒、骨折の家族歴)を有する65歳未満の閉経後から閉経周辺期の女性
・70歳以上の男性、また危険因子を有する50歳以上70歳未満の男性
・これまでに転倒などの軽い衝撃により骨折を起こしたことのある方
・骨粗鬆症をきたす病気(関節リウマチなど)にかかっている方やそれを引き起こす薬剤(ステロイド剤など)を投与されている方