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虚血性心疾患に対する検査・治療
(急性心筋梗塞、労作性狭心症、冠攣縮性狭心症、不安定狭心症、無症候性心筋虚血)

  • CTによる冠動脈造影検査:労作性狭心症等に対するスクリーニング検査です。入院の必要はなく外来での検査が可能ですが、不整脈のある患者さんや、息止めが困難な患者さんでは検査ができないことがあります。精度は冠動脈造影検査より劣ります。
  • 心臓カテーテル検査・冠動脈造影検査および経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI):CTでは識別が困難な冠攣縮性狭心症の診断やより正確な病変の評価ならびに治療を行います。PCI治療が必要か否かを客観的に判断する必要がある場合には、冠動脈造影検査に続いて、冠血流予備量比(FFR)を測定します。これは冠動脈狭窄がどの程度重症かを判断する指標となります。当センターでは、原則として冠動脈造影検査と治療であるPCIは別の日に行うようにしています。治療の適応をより慎重に判断する、より安全で的確な治療を行うと同時に、画像をみて頂きながら検査結果の説明を受けることにより、治療方針に同意して頂くことが重要と考えているからです。
  • 心臓カテーテル検査にともなう入院であれば3日間程度、治療であれば4日~1週間程度と短期間の入院で済みます。
  • 急性心筋梗塞に対する緊急PCI:心筋梗塞は一旦発症すると30%以上の方が亡くなる非常に重篤な疾患です。胸痛が30分以上持続するようであれば、すぐに病院を受診するようにして下さい。

下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療

  • 下肢閉塞性動脈硬化症は下肢の血管が狭くなり血流が障害されて起こる病気ですが、典型的な症状は、しばらく歩くと下肢のだるさや痛みから歩けなくなり、しばらく休むと再び歩けるようになる間欠性跛行です。この病気は放置しておくと、快適な生活を送るのに大きな妨げとなり、進行すると治療が困難となり、足を切断しなければならなくなる危険性があります。しかし早期に診断して治療を行えば、元気に歩けるようになります。当院では、閉塞性動脈硬化症に対する診断およびカテーテルを用いて狭くなった血管を広げる治療を行っています。
下肢閉塞性動脈硬化症

 
心不全に対する治療
(心臓弁膜症、拡張型心筋症、肥大型心筋症等)

  • 心不全の患者さんは、睡眠中に呼吸が止まったりすることが、少なくありません。呼吸が止まると酸素不足となり、心臓の負担が増え、心臓の機能を更に悪化させます。当院では心不全に対して薬物治療だけではなく、マスクを用いて睡眠時に呼吸を補助し、酸素不足や心機能の改善をもたらすASVという装置を用いた治療を積極的に行っています。

不整脈に対する検査、治療
(洞機能不全症候群、房室ブロック、心房細動、心房粗動、上室性・心室性期外収縮)

  • ホルター心電図検査
  • 心臓電気生理学的検査:心電図では不整脈時の詳しいメカニズムまでは明らかにできません。心臓電気生理学的検査はカテーテルを用いて、不整脈のメカニズムを明らかにし、ペースメーカー治療等に役立てる検査です。
  • 恒久的ペースメーカー移植術:脈拍数が減少し、そのために意識を失うような症状がある患者さんに対して ペースメーカーの留置手術を行っています。
  • 植込み型ループレコーダー:これまで失神の診断にはホルター心電図が用いられてきました。しかし、ホルター心電図では記録時間が24時間と短期間しか心電図をモニターできないため、原因を特定できないケースがありました。植込み型ループレコーダーは約6×2㎝の小型の心電計で、胸部の皮下に挿入することに より、最長3年間のモニターを可能としています。これまで原因不明であった失 神に対して、その原因が不整脈によるものか否かをこれまで以上に的確に特定することができるようになりました。
ペースメーカー植込み術

 
腎動脈狭窄に対する治療

  • 進行性や難治性の高血圧、原因不明の心不全がある場合、それが腎動脈の狭窄によって引き起こされている可能性があります。当院ではカテーテルを用いた腎動脈造影検査および治療を行っています。
右腎動脈狭窄

深部静脈血栓症

  • 長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の静脈に血のかたまりができて、この血のかたまりの一部が血流にのって肺に流れ、肺の血管を閉塞してしまう(肺血栓塞栓症)危険があります。初期症状としては足の発赤、腫れ、痛み等です。足にできた血栓が肺に詰まると、胸痛、呼吸困難、失神等の症状が出現し、最悪の場合は死亡する非常に恐ろしい病気です。当院では、血液を固まりにくくする治療や、足にできた血のかたまりが肺に流れていかないように静脈にフィルターを置く治療を行っています。